細田ゼミ 卒業研究の概要(2020)
土着化するなまず信仰―諌早市の事例から
一般的に地震と結び付けて考えられることが多いなまずですが、西日本の特に九州地方では多くの寺社において、皮膚病を治癒する存在として祀られているということを皆さんはご存じでしょうか。その他にも地域によっては、土地神や水神の役割をなまずが担っている例が見られます。筆者の地元である諌早市多良見町では神社だけに留まらず、人々の習慣や公共の建造物においても、なまずをシンボル的に捉えて大切にしている様子が見られます。本稿では筆者の地元である諌早市の神社を起点として、なまず信仰の起源である熊本県阿蘇の神社へ遡り、全5社での現地調査及びインタビュー調査、文献調査を通して、諌早市におけるなまず信仰の現状や歴史、そしてその定着化について考察を行いました。(筆者 N.M.、 2021年1月完成)