長崎大学多文化社会学部
細田ゼミの紹介
ゼミの内容
細田ゼミには移民、アジア、コミュニティ(人々のつながり)の形成と変容をキーワードに、現場にこだわって研究したい学生が参加しています。ゼミ生たちは、自分でフィールドワークを行い、ゼミの中で議論しながら分析・考察を深め、独創的な研究に高めます。扱うトピックは様々ですが、自分で集めた現場のデータを活かして分析し、体系的な文章としてまとめて発信するという意味では共通しています。詳しくは、下の「ゼミ生たち(卒業生も含む)の研究テーマとその概要」を見てください。
ゼミで重視することは、(1)言われていることをうのみにしない批判的思考力、(2)自分で問いを立て繰り返し調べて実証する研究力、(3)成果を明確な文章で伝える表現力、(4)互いに協力して研究を進めるチームワーク力、です。これら、多様化、流動化するこれから社会を生き抜くために大切な力を演習のなかで身に付けていきます。
卒業研究
2023年度
- マイノリティへの配慮をどう実現するか—長崎大学生協のハラールフード対応を事例に
- 大村入国管理センターにおける入管収容施設での支援の特徴と今後の展望
- 外国人永住者の効果的な日本語支援とは-働くフィリピン人の日本語学習から考える
2022年度
- 佐木島の事例からみるインドネシア人技能実習生の特徴と過疎地域への定住化
- 日本の介護を担うネパール人留学生-長崎市の介護福祉士養成施設の事例から-
- 大学生にとって「旅行」とは何か-コロナ禍における旅行実態とヴァーチャル観光に対する意見をもとに―
2021年度
- 長崎県内の英語ミサに集うフィリピン人の社会関係に関する一考察―長崎市、諫早市、佐世保市の3市の事例比較から―
- 困窮者支援における「役割」―長崎市のボランティア団体の事例から―
- 人類学から考えるキャッシュレス決済の普及—長崎市の高齢者向けデジタル機器教室を題材に—
- ネット炎上の持つ攻撃性の実態とその対応策について―被炎上者の体験から考える―
2020年度
ミニ・エスノグラフィー/フィールドワーク・レポート(演習課題)
2023年度
- 日本で外国人が共に”働く”ということ ~外国人労働者を雇う日本人の視点から考察する
- 日本社会でイスラーム教を身近な存在にするためには ~ムスリム留学生とその周りの日本人学生の関係に注目して~
- 技能実習生たちの望む日本での人間関係の在り方とは -多角的に実習生の気持ちを読み解いて-
- 外国人労働者の日本語学習の在り方 ~限られた機会と時間のなかで技能実習生が求めること~
- アウリアフーズは長崎のイスラム教徒になにをもたらすのか? ―アウリアフーズ店主への聞き取りから―
2022年度
- 日本で暮らすムスリムの礼拝実践の実態と宗教観について—在日ムスリム女性3人の語りから—
- 日本在住ムスリマのヒジャブ着用の多様性と課題―3人の語りから今後の可能性を考える―
- 九州在住イスラム教徒たちの食生活の実態と課題
2021年度
- 広島県M市におけるインドネシア人技能実習生の現状
- 日本在住中国人へのインタビューから学んだこと
- 商店街における各店舗の利益創出について―長崎市SN商店街にある青果店3店舗の例―
- 住民主体のイベント・地域サロン事業継続の可能性―長崎市の商店街の事例から―
- 若者は何故踊るのか―学生ダンスサークルから見るその現状―
- 日本在住フィリピン人のニーズ―インタビュー調査から見た言語の壁―
2020年度
- 習慣化する複数信仰―諫早市囲地区の高齢者の聞き取り調査を通して
- 児童保育施設での英語教育を目的とした英語絵本による読み聞かせは有効か―保育者へのナラティブインタビューからの検証
- 先が見えづらい展望―長崎市に留学中の中国人学生に対するインタビュー調査
- ネパール人親子の生活から学ぶ異文化適応の鍵とは―在留資格による問題の多様化
- 香川県直島におけるキャッシュレス決済の需要と普及―島内各商店の対応状況及び観光客の需要調査
課外活動・その他
2024年度
- 長崎在住のムスリムの方々の文化交流イベント
長崎イスラームセンターや長崎大学のムスリム学生のネットワークなどを通じて呼びかけ、文教キャンパスで文化交流イベントを開催しました。持ち寄りのお菓子をお互いに紹介して味見しながら話したり、全員でゲームをしたりして、楽しい時間を過ごしました。イベントは細田ゼミ生が主体となり、企画、広報、運営をしています!
2023年度
- Muslim-friendly MAP を制作
ゼミ生が卒業研究の一部として、留学生などムスリムの方たちがハラール食材店やハラール・レストランを見つけられるよう長崎大学周辺の案内地図を作成しました。
(紹介チラシ(PDF))
- 溶接分野で活躍するフィリピン人技能実習生にインタビュー
特殊金属の製缶や新造船の配管の加工などを行う有限会社森満工業(長崎市西海町)を訪問し、そこで働くフィリピン人技能実習生の方々と同社の代表者にインタビューしました。資格試験や日本語試験に向けて早朝から熱心に勉強する技能実習生たちの姿に驚きました。来日から1年足らずで流暢な日本語を話すだけでなく、ジョークも飛び出し、笑いが絶えないインタビューでした。後日、一緒に長崎の観光名所を回りました。
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「長崎×移民」を知るための島原半島フィールドワーク
様々な移民を受け入れると同時に送り出した島原半島で過去と現在の移民について調査するフィールドワークをしました!午前中は、移民の玄関口として栄えた島原半島の南端にある口之津(南島原市)を訪れ、からゆきさん、カナダへの移民、船員の町としての繁栄の歴史を聞き取りました。午後は、雲仙市南串山町の漁業会社「株式会社天洋丸」で漁師として働き、地元産業を支えるインドネシア人の方々と会社代表者の方にインタビューをし、様々な背景を持つ人たちが共に暮らす島原半島の現在の姿を調査しました。
2022年度
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外国人100人以上が働く大島造船所を見学
長崎県西海市にある大島造船所を見学しました。同社は、建造隻数で日本3位、世界11位(国土交通省2019年のデータ)という造船界の有名企業で、約1500名が働いています。外国人従業員も多く、訪問時にはベトナムやインドネシアなどからの技能実習生等として124名が就業とのことでした。多様な背景を持つ外国人を雇用する立場の意見を聞かせていただき、さらに造船所敷地内で巨大な船の建造現場を拝見しました。訪問途中、西海市ではおいしい洋菓子や海鮮たっぷりのちゃんぽんも堪能しました!
- ウクライナの現状と避難民に関する報告会
ゼミ生の一部が参加する長崎大学学生サークル「STARs」による「長崎の学生と考える、ウクライナの今」と題する報告会を開催しました。長崎大学に在籍するウクライナ人の大学院生や隣国ポーランドでウクライナからの避難民の支援に関わった日本人長大生の話を聞き、ニュースの見聞だけではわからないウクライナの現状について参加者全員で考えました。
2021年度
- STARs の活動
ゼミ生の一部が参加する長崎大学サークル「STARs」が大学ホームページで紹介されました。 - ゼミの紹介
「長崎大学広報誌Choho」78号でゼミ生のフィールドワークの様子が紹介されました。 - インドネシア×ながさき交流会と報告会
長崎県に住むインドネシアの方々と一緒に本多木蝋工業所(島原市)や天洋丸(雲仙市)などを巡り、一緒に体験学習をするとともに、インドネシアの方々に日本での生活についてインタビューをさせてもらいました。
その後、報告会を開き、交流会参加者のほか、多文化社会学部・研究科の学生や教員、外部の方にも参加してもらい、ディスカッションを行いました。
(Instagram の記事)