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細田ゼミ 演習 ミニ・エスノグラフィー作品集(2021)

広島県M市におけるインドネシア人技能実習生の現状

外国人労働者が日本各地で増加しているが、彼らは上手く日本の制度に馴染めているのだろうか。そのような疑問をきっかけとし、広島県M市の企業で働くインドネシア人技能実習生から日本での暮らしぶりや仕事について伺った。先行研究から浮かび上がってくる外国人技能実習生が抱える問題や技能実習生の受け入れ制度の構造的課題を整理し、それらと今回インタビューした技能実習生が語った内容の比較・分析を行った。(筆者 M.O.、2022年1月完成)

日本在住中国人へのインタビューから学んだこと

日本に在住する中国人は、日本在留外国人の中で約3割を占める。その中で日本の地方都市に住む中国人に焦点を当て、なぜ経済的優位性のある大都市ではなく地方都市を選んで暮らしているのか、また母国への帰国を考えないのかという点について疑問を持った。今回は九州の地方都市に在住する中国人の方に対してインタビュー調査を行い、なぜ九州の地方都市で暮らしているのかについて尋ね、人の移住に影響する多面的な要素を探った。(筆者 E.Y.、 2022年1月完成)

商店街における各店舗の利益創出について―長崎市SN商店街にある青果店3店舗の例―

「商店街における各店舗の利益創出について―長崎市SN商店街にある青果店3店舗の例―」(2022年1月完成)

「商店街の衰退化」は地方都市の抱える問題の一つであり、地方自治体の多くがいわゆる「シャッター通り」と呼ばれる商店街の再建に力を入れている。このような状況の中、長崎県長崎市にあるSN商店街には、シャッターが降りたままの店は多少あっても、多くの店には人が集まり活気があることに気づいた。本調査の目的は、この商店街の中にある各店舗の営業形態に注目し、「近くに大型商業施設があったり、同業者が何軒もあったりする中で、どうして利益が生まれるのか」という問いに対する答えを見つけることである。「大型商業施設」と「同業者」という、商店街の各店舗にとっては一見ライバルになりそうな存在とどのように共存しているのかを知るために、商店街の事務局やいくつかの店舗の店主にインタビューし、分析を行った。(筆者 E.I.、 2022年1月完成)

住民主体のイベント・地域サロン事業継続の可能性―長崎市の商店街の事例から―

長崎市内の商店街で、住民主体のイベント・地域サロン事業に関してインタビュー調査を行った。近年、住民主体のイベントや地域サロン事業の重要性が説かれることが多いが、福祉や医療の側面からのアプローチに限られている。今回、事業者の方への半構造化インタビューを行い、これらの事業継続の可能性や困難な面を探った。調査の結果、(1)事業者同士の意識差・利益を是正すること、(2)資金確保と情報提供のシステムを確立すること、の2点が事業の継続性を高めるのではないかと考察した。(筆者 A.K.、 2022年1月完成)

若者は何故踊るのか―学生ダンスサークルから見るその現状―

この調査では、長崎大学のダンスサークルに所属する大学生に対してアンケート調査とその中の数名に対してインタビュー調査を行い、「若者は何故踊るのか」という問いに対する糸口を探った。初めてのエスノグラフィー執筆だったために難しいことが多くあったが、これからの研究の足がかりとなる方向性が見えた。 (筆者 T.T.、 2022年1月完成)

日本在住フィリピン人のニーズ―インタビュー調査から見た言語の壁―

近年、一時的滞在の外国人技能実習生を対象にした研究が多くなっている一方で、長期滞在の外国人が抱える日常生活の困難についての研究は比較的目立たない。例えば、日本人と結婚をして永住資格を持つフィリピン人女性が日本に多くいる中で、彼女たちはどのような問題を抱え、困った際に誰が助けるのだろうか。そのことを知るための第一段階として、一人のフィリピン人女性にインタビュー調査を行った。調査の結果、彼女が置かれた環境やライフコースによって日本語習得の課題が大きく異なることや、今後言語面の支援が必要になることがわかった。 (筆者 Y.N.、 2022年1月完成)